「寝たいのに眠れない」のは考え過ぎ?うつ病の予備軍も
どれだけ寝ようとしても、寝たいと考えていても、一向に眠れないという時があります。こんな時は、大抵無理に寝ようとすると逆効果になります。
これは、不眠症の方にはよく起こる現象で、精神生理性不眠症と呼ばれています。
「寝たいのに眠れない」はうつ病の予備軍?
きっかけは重度の不眠症ではなくても、ほんの数時間眠れなかったことが「不安の種」となって心に根ざします。眠ろうと思えば思うほど、不安が強くなるのです。
その結果、神経を興奮させてしまい、余計に眠ることに対して恐怖感を抱いてしまいます。これが「精神生理性不眠」です。
この精神生理性不眠は、不眠症の問題だけではなく、結果的に精神の病へと飛び火する可能性も内在しています。
不安により不眠症が悪化すると、ほとんどの場合、緊張感や不安感が、日中でも頻繁に現れるようになります。ここから、うつ病や不安神経症など、心の病を発症しやすくなるのです。
症状の出始めが大切
なるべくなら、不眠の症状が出始めの早い段階に対処をしていくことが重要となります。
治療法として有効なのは「精神療法」。つまりカウンセリングですね。
精神生理性不眠では、眠れないことに対する不安が余計に眠れなくしますので、眠れなくても大丈夫だと不安を取り除くことが最も大切なのです。
また、あまり不眠の症状がひどいようなら、「薬物療法」として睡眠薬が使用されることもあります。特に、睡眠時間が乱れている場合は、睡眠時間を特定の時間に固定するのに有効です。
しかし、すでに不眠と憂うつ感、両方の症状が強く出始めているという方は要注意です。治療には時間を要するかもしれませんし、この場合は睡眠薬の使用にも注意が必要です。
精神的に落ち込みがちな気分になっている場合、向精神薬と同じ成分で作られている睡眠薬を使用すると、一時的に気分が高揚して、気持ちがリラックスしとても心地良くなります。
これが、落ち込みがちな気分の方にとっては、とてもクセになることがあるのです。長期的に見ると、睡眠薬に依存しやすい体質を作り出してしまうかもしれません。
不眠症の原因の多くは、ストレスや生活習慣にあると言われています。ですから、不眠症の症状が出始めた時こそ、根本にあるストレスや生活習慣をきめ細かに見直す良いチャンスでもあるのです。
なるべく早い段階から、睡眠薬に頼らない不眠症の対策を自ら実施するようにしましょう。