寝る前の「運動」は熟睡できる?程よい時間とは
運動が睡眠にとって良い働きをするということは、多くの方の知るところでしょう。
睡眠障害(不眠症や、熟睡感が低い症状)を専門に扱う病院では、患者さんが日中どれくらい運動をしていたのか、客観的に記録してもらう事もあります。
寝る前の運動は熟睡できる?どのくらいが良い?
運動と睡眠の関係は、完全に解き明かされているわけではありませんが、現時点での実験や研究データ、統計データをまとめると、以下のような結果となります。
- 適度な睡眠は徐波睡眠(深い睡眠)を増加させ、熟睡感を高める。
- 運動の強度が強すぎると、逆にストレスによって睡眠が悪化する。
- 習慣的に運動をしている人ほど、熟睡感が高い。
- 習慣的に運動をしている人ほど、客観的にも主観的にもよく眠れている。
上記のような報告は、日本だけではなく、米国など様々な国で同様の実験、統計データが分析され、発表されています。
つまり「習慣的な、適度な運動」は、睡眠の質を向上させ、熟睡感を得るために効果的だという結論は、ほとんど間違いありません。
「過度な運動」は、逆効果になることも!
適度な運動が睡眠の質を向上させるということは、間違いありません。しかし、過度な運動や、強度の強い運動は逆効果となることもあります。
過剰な運動、負荷の高い運動は、ストレスの反応を引き起こします。ストレスが脳を覚醒させ、睡眠を阻害するということは、紛れもない事実です。この点は要注意です。
あくまで、息が上がり過ぎない程度の「程よい運動」で、しかも習慣的に行う事が良いのです。
軽いウォーキングなど、続けても負担にならない運動や、あなた自身が心地よく感じるくらいの運動が丁度良い運動だと考えてください。
寝る「直前」の運動は良くない?
この点については様々な意見があるでしょうが、一般的に考えてみても、寝る「直前」の運動よりも、2〜3時間前の運動の方が睡眠にとっては有益なはずです。
睡眠を深くする理由は、深部体温と呼ばれる、体の奥にある熱が徐々に下がっていくことによって得られるものです。
それから、運動によるストレスの発散がもたらす、リラックス効果。適度な疲労を癒そうとする、睡眠による回復効果もあります。
これらが、熟睡感を高める要因です。
寝る「直前」に運動をしてしまっては、深部体温は上昇したままなかなか下がらないでしょうし、運動の内容にもよるでしょうが、脳は興奮(覚醒)してしまい、リラックス効果も得られにくくなってしまいます。
このことから、寝る直前の運動ではなく、床につく2〜3時間前には運動を終わらせ、その後お風呂に浸かるなどした上で眠りにつく方が、更に効果的だと推察できます。
また、仕事終わりに運動をする時間がなかなかとれないという方は、日頃から日中に体を動かす癖をつけておくと良いでしょう。
電車で通勤をしている方なら、一駅歩く。なるべくエレベーターを使わないようにするなど、日常でできることは意外とたくさんあるものです。
最近では、スマートフォンのアプリなどで、1日にどれだけ歩いたかを計測するものもあります。
毎日どのくらい体を動かすことができているか、客観的なデータとして記録する事は、睡眠にとっても有意義なはずです。
また、どうしても熟睡感が得られにくいという方は、睡眠の質を高めるサプリメントを使用してみることもおすすめです。最近では、睡眠のためのサプリで、安全性が高い物も多数販売されています。
サプリメントであれば、睡眠薬のように、副作用や依存性もないため、安心して使用する事ができるからです。