高齢者の不眠は治せない?睡眠薬に頼らない眠れる方法とは

高齢者の方で、不眠症を口にする方は年々増えているように思います。
私自身、医療機関に勤務していた経験がありますが、寝付きの悪さや夜中に目が覚める、早朝に目が覚めるといった症状で悩む方は、比較的高齢な方がほとんどといった印象を持っています。

あとは、意外にも比較的若い方が睡眠障害に悩んでいます。
10代〜20代の方で、特に不規則な生活リズムにより、睡眠のリズムを大きく崩してしまっている方が多くいるのです。

しかし、それでも高齢者の方の不眠症に比べれば、患者さんの数は少ないです。

不眠症

高齢者の不眠は治せない?年齢と共に深刻に

それにしても、なぜ高齢の方ほど不眠の症状に苦しむことになるのでしょうか。調べてみると、その原因の一番大きなものとして、脳内物質である「メラトニン」の減少が考えられます。

メラトニンは、その特性から、睡眠ホルモンとも呼ばれる脳内物質です。この物質は、脳の中で自ら分泌され、夜の時間になると自然な眠気を催します。
メラトニンは、残念なことに10代の頃をピークに、年齢と共にどんどん分泌が減少されていく物質です。

メラトニンの減少

メラトニンの分泌が減少すると、睡眠の質は著しく悪化します。寝付きが悪くなる事はもちろん、中途覚醒や早朝覚醒も引き起こされます。
このメラトニンの減少は、個人差はあっても誰にでも起こる自然な現象です。

どう頑張っても、メラトニンの減少を止めることはできません。
このように書くと、年齢と共に悪化する不眠の症状は、諦めるしかないのかと思われてしまいそうです。

しかし、不眠の症状を完全に諦める必要は全くありません。不眠の症状は、年を重ねても、根本的に治す方法があります。

年齢による「不眠」を諦めてはいけない

まず、多くの高齢者の方が、不眠と言えば睡眠薬を処方してもらうことを一番に考えるようです。
それも決して悪いことではありませんが、睡眠薬は根本治療の方法ではないという事を、まずは知っておいて欲しいと思います。

私が勤務していた病院でも、不眠に悩む患者さんは、ただ睡眠薬をもらいに病院を訪れていた方がほとんどでした。それが本当に良いことなのかどうか、これは当人にしか分かりません。
しかし、時間とお金を費やして、対処療法のみに傾倒しても、根本的には(薬なしで)ぐっすり眠れることができるようになるわけではありません。

年齢による不眠を認めることも大切

また、年齢を重ねると、その分体を動かす事や、代謝の量が減ってしまうことも事実です。つまり、年齢を重ねると、その分眠る量は少なくても良いというのが実際のところなのです。
若い頃の自分と比較して、『あの頃と比べると眠れていない。これは異常なのでは?』と考えるのは、正しい判断とは言えません。

日常の生活に、酷い怠さや疲れを感じないのであれば、それは問題視するような不眠ではないとういう事でもあるのです。

根本的な治療法とは

不眠症の治療法

特に高齢者の方にとって、不眠症の根本的な治療法は、まずはしっかりと睡眠ホルモンである「メラトニン」を分泌させることです。
メラトニンを増やす方法として大切なことは、必須アミノ酸であるトリプトファンという物質を摂取することです。

それから、トリプトファンを脳内でメラトニンへと変換するために必要な、ビタミンB,E類などの栄養成分も欠かせません。

トリプトファンを含むこれらの栄養成分は、最近では睡眠を改善するためのサプリメントでも摂取できます。

睡眠ホルモンであるメラトニンを分泌させる為には、太陽の光を浴びることも大切です。よく言われていることですが、これは本当に重要なことなのです。

効果を得るためには、毎日なるべく早い時間に起床し、外に出て光を浴びることです。最低でも3週間は継続しなければ、効果があるかということさえ分かりません。
これを実践するのはとても難しいことですが、試す価値は十分にあります。

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睡眠薬を飲むというだけなら、そんなに難しいことではありません。
しかし、根本的に不眠症を改善しようとすると、生活習慣を改善する必要があり、それなりに時間がかかり、大変さを伴う作業です。

それでも、薬を使わずに眠れるという事は、それだけでも十分に価値のあることのはずです。今の睡眠に満足されていないという方は、上記の記事に書いてあることを、一度は試してみてください。

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