もしかして睡眠障害?!「朝起きれない」には理由がある

朝起きれない、という悩みは意外と深刻です。

朝が強い、早起きが習慣になっている人にとっては、この悩みはなかなか分かりにくいことなのかもしれません。
困ったことに、朝起きれないと聞くと、人によっては「だらしがない」とか、「怠け者」だとか、すぐに勘違いをされてしまいます。さらに悪いことに、こうした病気に悩む本人でさえ、自分は怠け者なのではないかと悩んでしまうことです。

睡眠障害に関する研究は日々進んでおり、朝起きれない症状についても、ある程度の原因が分かり始めています。
夜中まで遊びすぎたり、テレビやゲームなどで夜更かしをしてしまうことが原因で、朝起きれないのなら、あなたの生活習慣に問題があります。

しかし、そうではなくて、早く寝ても朝起きれない。または、早く寝ようと努力しているのにも関わらず、夜眠れない(その結果朝起きれない)のだとしたら、睡眠障害を患っている可能性は大きいでしょう。

朝起きれない自分のことを、必要以上に責めてもしょうがありません。
あくまで冷静に、自分が朝起きれない原因を知ることが大切です。もし、その原因が睡眠障害(病気)なのだとしたら?
その場合は、放っておいても悪化するだけです。なるべく早急に、専門的な治療が必要となるのです。

朝起きれない原因

朝起きれない原因は、睡眠障害?

先ほども書いたように、自ら不摂生な生活をすることで、夜型の生活を送っている場合。例えば、深夜遅くまでテレビを観てしまうなど、明らかにあなた自身の生活に問題がある場合は、まずは生活習慣を見直すことが必要です。

日本人の平均睡眠時間は7時間程度と言われていますが、この時間を切るような睡眠障害だと、朝起きることが辛くなるというのも、仕方がありません。
次に、夜眠れなくて、朝が起きれない場合を考えてみましょう。

「夜眠れない、朝起きれない」習慣

一見すると、先ほどの「不摂生な生活」と合致するような気もします。しかし、寝ようと思っているのに眠れないというのと、自ら眠れない生活を選んでいるのでは、事情が異なります。

本人が一生懸命、眠ろうと手を尽くしているにも関わらず、眠れない(当然、朝は起きれない)。
これは、いわゆる不眠症です。不眠症にも色々と種類がありますが、夜に寝付く時間が遅く、朝は起きれないというのなら、概日リズム睡眠障害の可能性が濃厚です。

概日リズム睡眠障害は、1日の体内時計のサイクル(概日リズム)がずれてしまう睡眠障害です。
本来は24時〜7時が、睡眠時間のはずなのに、体内時計のサイクルが後退してしまい、4時〜12時が睡眠時間と認識されているような状態です。概日リズム睡眠障害について、詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。

概日リズム睡眠障害 – 睡眠と起床のリズムがずれていく

この睡眠障害の理由として、最も考えられるのが、固定化された不規則な睡眠習慣です。何かのきっかけ(ストレスなどもあり得る)で、夜眠ることができなくなり、朝起床する時間が、徐々に後退していった場合などが考えられます。

さらに、土日など、休みの日に遅くまで眠ってしまうことが多くなると、さらに夜型の概日リズムは固定化されていきます。

この場合、数日間くらい早起きした程度では、元の朝方の概日リズムには戻れません。最低でも、3週間は毎日早起きをする。しかも、朝からしっかりと目を覚ます習慣を作らなければいけません。

3ヶ月も続ければ、朝型のリズムが脳に固定化されるはずです。もちろん、「休みの日は昼まで眠る」といった悪習も控える必要があります。

夜型の概日リズムが固定化されている人にとって、実際にやってみれば、これがどれほど大変なことなのかは、よく分かるはずです。しかも、必ず毎日続けることが必要条件なわけですから、なおさらです。

病院での治療法

睡眠に専門の知識を持つ病院、あるいは一般の内科や、心療内科・精神科でも、こうした症状を相談すれば、睡眠薬を処方してくれる場合がほとんどです。
できるだけ、睡眠専門の外来に通うことが望ましいです。そうでない病院と比べると、治療の質や不眠症についての知識が全く違うからです。

睡眠薬を飲めば、無理にでも夜は眠ることができます。はじめのうちは、それでも朝起きるのが辛いかもしれませんが、やがて慣れていきます。
睡眠薬は、長期間連用すると、その分依存性や副作用の危険性が増していきますから、その点についての注意は必要です。

自分の力だけで夜眠れない症状を治すのは、とても忍耐の必要なことです。睡眠薬は、そのハードルを下げてくれる薬です。

「夜眠れるのに、朝起きれない」場合

夜眠れるのに起きれない

先程の場合とは異なり、夜は眠れているのに、朝起きれないという場合。こちらの場合、より深刻な睡眠障害の可能性が考えられます。
まず考えられるのは、何かしらの病気を伴っている場合です。以下に主な病気をいくつか紹介します。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、その名の通り、眠っている間に呼吸が一時的に停止する病です。肥満や、喉の形状の問題などが原因として挙げられます。
眠っている間に突然呼吸が停止するわけですら、当然、まともな睡眠を得ることはできません。

しかし、夜中に呼吸が停止していることは、本人は全く気付いていません。しっかり眠れていると思っているけれど、実は眠れていない。朝から激しい眠気や、体の疲れ・だるさを感じてしまうのです。

この病気の場合も、睡眠に専門の知識を有する病院や、呼吸器科での診察が有効です。夜中に激しいイビキをかいているようなら、睡眠時無呼吸症候群の可能性は考えられます。

季節性うつ病・うつ病

うつ病には、多くの場合、睡眠障害を伴います。どちらかと言えば、眠くなる症状よりも不眠の症状の方が多いようです。しかし、中には過眠(眠り過ぎてしまう)の症状を伴う場合があります。

特に、ある季節になると強い憂うつ感を生じる季節性うつ病の場合、過眠の症状を伴うことが多いのです。
季節性うつ病は、憂うつ間と共に、過眠と強い食欲(過食)を伴うことがあります。以下の記事では、季節性うつ病に伴う過眠の症状について、詳しい症状や対策を説明しています。

季節性うつ病と過眠症 – 眠りすぎてしまう原因

この他にも、精神的な病が元凶となり、朝起きれない症状へと繋がるケースは多いようです。自身がうつ病(またはその予備軍)の兆候がないか、真剣に考えてみることも大切です。

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ここまで、朝起きれない、一般的に多い症状を記載してみました。
これ以外にも、日中に突然強い眠気を引き起こす、ナルコレプシーと呼ばれる病気もあります。

睡眠障害という病気は、非常に奥が深く、簡単に病名を診断することは困難です。それだけに、盲信的に処方された睡眠薬を服用し続けたり、自分はダメな人間だとタカをくくっていてはいけません。

既に、一般的な生活を送ることが困難なほど症状が進行し始めているようなら、できる限り早く、睡眠に専門の知識を有する病院で診察をしてもらうことが重要です。

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