休日に眠りすぎてしまう過眠症 – 平日は不眠症なのに..
休日になると昼過ぎまで、ひどい時は夕方近くまで眠ってしまう。こんな症状は過眠症と呼ばれる睡眠障害の一つです。
特に20代~若い成人の方によく見られる症状ですが、その症状の性質上、なかなか周りの理解を得られないという実情があります。
平日は不眠、なのに休日は過眠?
特に厄介なのが、平日は夜遅い時間になっても眠れず、朝や日中になると強い眠気に襲われるという症状です。
周りから見れば、夜遅くまで起きているから日中眠いんだ。その上、休日は昼過ぎまで眠っている。だらしがない!となるわけです。
「早寝早起き」で、充実したいのに..
しかし、当人にしてみれば、周りが考えている以上にとても深刻に悩んでいる場合がほとんどです。
できることなら平日は早く眠りたい。朝も早く起きて、充実した生活を送りたい。だらしない自分が嫌でなんとかしたい、、、そう考えているのに、それができない。
自分が情けなくなったり、嫌になったりするわけです。
そして、本人が気づいているかどうかに関わらず、そうした自分への反省やプレッシャーが、余計にこの症状を悪化させてしまうのです。
うつ病の「一歩手前」かも
実は、このような「休日は過眠症、平日は不眠症」の症状の背景には、うつ病の初期症状が隠れていることが珍しくありません。
睡眠が不足すれば、精神状態にとって多大な悪影響を及ぼすことは、様々な研究や臨床データにより明らかになっています。そして、睡眠とうつ病にも深い関係があることが分かっています。
うつ病では不眠の症状を訴えることが多いが、過眠も少なからず見られる。特に季節性うつ病のうつ期や、躁うつ病で気分が沈んでいる時期には過眠症状のある人が多い。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)などからくる過眠により、会社や学校で強い眠気に襲われたり居眠りをしてしまったりして、「怠けている」「やる気がない」と見られる(自分でもそう見てしまう)ストレスによって、うつ病を発症している場合もある。
うつ病の症状、またはうつ病の初期の症状では、身体と精神が極度に疲労し、激しい倦怠感を感じます。身体のコリや、胸や腹部に痛みや違和感を覚えるのも特徴的な症状です。
このような状態だと、人と会うことや外出することさえも面倒に感じ、休日はとにかく眠っていたいと考えるのが普通です。
そんな時に、周りから「だらしがない」「起きて動きなさい」などと言われると、余計に憂うつ感や疲労感を強めてしまい、症状が悪化するのは当然のことと言えるでしょう。
セロトニンの分泌が問題解決のカギ
この問題を解決する方法の一つとして注目されているのが、脳内のセロトニン濃度を高める(分泌を多くする)ことです。
セロトニンは、脳内のドーパミン神経やノルアドレナリン神経と呼ばれる、感情を左右する神経に作用します。その結果、セロトニンが分泌されることにより、感情の浮き沈みが抑制され、うつ病の予防・解消へとつながるのです。
また、セロトニンがしっかり分泌されていれば、朝から脳が覚醒し、日中に快活な目覚めの状態を保つことができるようにもなります。
セロトニンを分泌させて不眠・過眠を治す方法
生活習慣を見直してみる
過眠症の元をたどって行くと、ストレスや不規則な生活によってセロトニンの分泌が損なわれてしまい、うつ病を発症してしまうことが根本にあると考えられています。
セロトニンを増やすためには、なるべく毎日の運動や、朝の時間に太陽の光を浴びることが大切です。
サプリメントを活用する
最近では、セロトニンを分泌させ、不眠症や過眠症を解消させるサプリメントが販売されています。
セロトニンを分泌させるためのサプリメントは、ほとんどがセロトニンの材料となる、必須アミノ酸トリプトファンなどの栄養成分を配合したものです。そのため、副作用もなく、根本的に不眠を解消させることができます。
病院で治療してもらう
最近の抗うつ剤や精神安定剤は、セロトニン神経に作用するものが主流になってきています。過眠やうつ病で精神科・心療内科を訪れると、こうした医薬品を処方されることもよくあります。
しかし、科学的にセロトニン神経に作用するこうした医薬品は、副作用や依存症のリスクが高いとされていますから、注意が必要です。
とは言え、症状がひどく、上記の方法でも改善しないようなら、早めに病院で診てもらいましょう。