「睡眠が浅い」3つの根本的な理由と、その対策

眠りが浅い理由

よく「眠りが浅い」と言いますが、具体的にはどういうことなのでしょうか?
眠りが浅いと感じる理由をよくよく探ってみると、以下のような具体的な症状が見られます。

  • 夜中に何度も目が覚めてしまう。
  • 早朝に目が覚めてしまい、寝付けない。
  • 何度も夢をみて、眠った気がしない。
  • 睡眠時間が短く、翌朝がすっきりしない。
これらは、「中途覚醒」「早朝覚醒」という2つの症状に分けられ、その原因には共通している特徴があります。
そこで、これらが生じる根本的な理由と、対処方法をまとめてみましょう。

睡眠が浅い – 3つの理由

熟睡感がない

眠りが浅いと感じる理由には大きく3つあります。

  1. 加齢
  2. ストレス
  3. 不眠の不安
順に、説明していきましょう。

1.加齢によって眠りが浅くなる

加齢に伴い、睡眠の質の低下が起こります。

私たちの脳内では、睡眠の質を高めるために、「メラトニン」と呼ばれるホルモン物質が分泌されています。このメラトニンは、以下の図のように、年齢を重ねるごとに徐々に分泌量が少なくなります。
メラトニンの分泌量が減ると、必然的に眠りの深さ(睡眠の質)は悪くなります。その結果、たとえ横になっていてもよく眠れず、眠りが浅くなるのです。

参考:メラトニンの分泌量と年齢の相関図

メラトニンの現象

このように、睡眠の質は年齢とともに落ちていくということを知らないと、過去の睡眠時間や睡眠の質と比較して、今の睡眠が何らかの異常なのではないかと感じてしまいます。

近年特に増加しているのが、中高年以上の方が訴える不眠の症状です。中には、年齢相応の平均的な睡眠時間と変わらないのに、ご自分の過去の睡眠時間と比較して眠れなくなったと、過度に不安に感じてしまっている方もいらっしゃいます。しかし、上の図からも分かるように、20代を過ぎた頃から睡眠の質が急激に落ちていくということを知っていれば、過剰に不安に思う必要はないことが分かりますね。

もし眠りが浅くても、日中の生活にあまり影響がないのであれば、あまり深く心配する必要はないでしょう。
しかし、眠りが浅いことで支障があるという場合には、メラトニンを補うことでぐっすり眠れるようになるかもしれません。

2.ストレスが眠りを浅くする

また、過剰なストレスによっても眠りは浅くなります。

ストレスがかかると、脳が覚醒してしまいます。この状態では、自律神経が緊張状態を保とうとするので、睡眠を過度に邪魔してしまいます。
こうして眠りが浅くなると、夢を見やすくなります。楽しい夢なら良いでしょうが、過剰なストレス状態だと、嫌な気持ちになる夢、悪い事柄が起きる夢、ぐったり疲れるような怖い夢など、様々な悪夢を見る可能性も高くなります。

そうすると、ますます脳が覚醒してしまいます。うなされたり、叫んだりしてしまうこともあるでしょうし、悪夢で目覚めるとその後しばらく眠れなかったりもするでしょう。こうして、眠りを浅いと強く感じることにつながっていくのです。

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3.眠れないことへの不安が眠りを浅くする

上記の理由とも関連しますが、ストレスによって眠れないことが続くと、今度は「眠れないこと」に対して「また眠れないのではないか」と不安な気持ちになります。
この強い不安感が、余計に睡眠を浅くしてしまうのです。
また、せっかく眠りにつけても、ストレスや不安によって常に脳が覚醒に近い状態にあるので、すぐに目が覚めてしまいます。そして、目が覚める度に「あぁ、またか..」という気分に見舞われ、さらに不眠の症状の悪化にもつながってしまうのです。

これは、精神生理性不眠症と言われる症状で、現代では多くの患者さんを抱える不眠の症状だと言われています。

さらに、不眠は不安を増大させ、思わぬ病気(うつ病や不安神経症)へとつながってしまう危険性がありますから、注意が必要です。

「眠りが浅い」時の対策方法は?

時計

上に述べた症状は、眠りが浅い症状で考えられる原因のごく一部です。
夜中に何度も目が覚めたり、早朝に覚醒してしまうという症状は、一度かかってしまうとなかなか抜け出せないものです。

しかし、なるべく早い段階で、正しい不眠症の治療方法を実践することによって、早期に解決できるものでもあります。
不眠症を根本的に治すための安全な治療法を理解し、しっかりと実践することが重要なのです。

それでも、日常生活に支障があるほど眠れないなら、病院で専門の医師の診断を受けましょう。

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