とにかく眠い・常に眠い-原因に合った対処法が解決への早道

目覚まし時計

眠くて眠くて朝起きられない、仕事や家事があるからなんとか頑張って起きたけど日中眠くて仕方がない。こんな日は頭がボーッとして、集中力に欠け判断力も鈍ってしまいます。

日常生活に支障があるほどの眠気でお悩みなら、まずはその原因を探り、原因に合った対処法を実践することが大切です。

夜はしっかり寝ているはずなのに…

多くの方は、「明日は6時に起きるから、夜10時に寝れば8時間眠れる」というように、朝起きる時間から前日寝る時間を逆算します。
予定どおり夜10時に寝てしっかり8時間の睡眠をとり、日中も活動的に過ごせるなら何の問題もないでしょう。ですが、しっかり8時間寝たはずなのに眠くて仕方がないとしたら、、、

いくら寝ても眠いのはなぜ?

十分な睡眠時間をとっているのにもかかわらず眠くて眠くて…という場合は、もしかすると睡眠の質が悪いのかもしれません。

睡眠中は、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠が、約90分を1サイクルとして3~4回繰り返されています。

睡眠サイクル

レム睡眠は時間にして10~20分程度の浅い眠りで、体は休んでいますが頭は活動状態にあります。夢を見るのはこの時です。
一方、睡眠サイクルのほとんどを占めるノンレム睡眠には4段階の眠りの深さがあり、頭も体も休んでいる状態です。中でも眠りが深い「深度3」や「深度4」の状態は、ちょっとやそっとでは目が覚めないほどぐっすり眠っています。

このように、私たちにとって睡眠は、頭と体の「休息時間」です。特にノンレム睡眠の深度が浅くなったり、時間が短くなると頭も体も十分に休息することができません。こういう状態を「睡眠の質が悪い」と言います。

睡眠の質を下げるのは

脳

なぜ睡眠の質が悪くなるかというと、体内時計に乱れが生じて、睡眠ホルモン「メラトニン」がうまく分泌されなくなるからです。
メラトニンの分泌量が減ると、寝つきが悪くなる入眠困難や、夜中や早朝に目が覚める中途覚醒、早朝覚醒の原因になります。

また、メラトニンの分泌時間が後ろにズレると、夜になっても眠気が来ず、徐々に夜型生活にシフトして朝起きられない原因になります。これを、概日リズム睡眠障害(睡眠相後退型)と言い、20代くらいの若者に多く見られます。
反対にメラトニンの分泌時間が前にズレると、夜の早い時間から眠くなり、夜中や早朝に目が覚める原因になります。これを、概日リズム睡眠障害(睡眠相前進型)と言い、高齢者に多いと言われています。

つまり、

体内時計が乱れる

メラトニン分泌がうまくいかない

寝つきが悪くなる、夜中や早朝に目が覚める

とにかく眠い、常に眠い

このようなことになる前に、メラトニンをうまく分泌させましょう。そのためには、メラトニンの材料となるトリプトファンを積極的に摂取する必要があります。
以下の記事では、トリプトファンの摂取方法について詳しく説明しています。トリプトファンの働きや効果などについても説明していますので、ぜひご覧ください。

また、睡眠の質はストレスや不安な気持ちの蓄積でも低下します。
もしストレスや不安に心当たりがあるなら、なるべくストレスをためないように発散させたり、リラックスできる時間や環境を作るようにしましょう。

睡眠の質が低下している場合、軽度ならトリプトファンを摂取したり、以下の記事で紹介している睡眠に良い行動をとるなどの対策で改善が見込めます。

しかし、夜しっかり寝ても眠気が異常に強い場合は、過眠症かもしれません。

たくさん寝ても眠いのは過眠症?

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過眠症とは、夜ちゃんと寝ていても日中に強い眠気を感じて、時には実際眠ってしまうような状態が続く睡眠障害です。

過眠症に分類される睡眠障害には以下のようなものがあります。

主な過眠症

  • ナルコレプシー
  • 特発性過眠症
  • 反復性過眠症

ナルコレプシーとは、3ヶ月以上毎日強い眠気があり、通常なら眠らないような緊張状態にあっても眠気に襲われて実際眠ってしまう「睡眠発作」が特徴の睡眠障害です。日中の眠気は20~30分程度眠ることで一時的にスッキリします。
また、驚いたり笑ったり興奮状態にある時に突然脱力してしまう「情動脱力発作」が特徴的です。発症は10代に多く、日本では600人に1人くらいが発症すると言われています。

特発性過眠症とは、6ヶ月以上毎日強い眠気があり、夜間の睡眠時間が10時間以上にもなる割に目覚めはスッキリせず、日中も眠気に襲われる睡眠障害です。発症は20代半ばに多く、ナルコレプシーの1/10程度の発症率だと言われています。

反復性過眠症とは、毎日10~15時間以上も昼夜問わず眠り続けてしまう状態が数日~2、3週間も続く睡眠障害です。強い刺激で一時的に目を覚ましますが、ボーっとした状態でしばらくするとまた眠ってしまいます。発症は10~20代前半に多いですが、非常にまれな疾患です。

出典:日本睡眠学会「睡眠障害の基礎知識」

この他、うつ病の中でも非定型うつ病では過眠傾向が見られ、寝ても寝ても眠いと感じるという特徴があります。

もし、強い眠気が長く続き昼も夜もとても眠く、実際に昼寝をしてしまったり夜も長時間眠ってしまうような状態なら、すぐに病院で診察してもらい適切な治療を受けましょう。

以上、夜しっかり寝てもとにかく眠いという場合について見てきましたが、眠い原因として「実は夜眠れない」という方も結構たくさんいます。

眠いのは夜眠れないせいかも

熟睡感がない

先ごろネットニュースでも話題になりましたが、厚生労働省が実施した2015年の「国民健康・栄養調査」の結果、「日本人の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満が最も多く、6時間未満は2007年以降増加傾向にある」そうです。

その理由として、20~50代男性は「仕事」、20代女性は「携帯電話、メール、ゲームなど」、30代女性は「育児」、40代女性は「家事」が多いという結果でした。

出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査」(平成27年)

このように理由がはっきりしていれば対策も取りやすいですが、そうとばかりは言えません。
では、この他にはどのような原因が考えられるのでしょうか。

夜眠れない原因は

理由は分からないけど、なぜか眠れないということは結構あります。このような場合は、体内時計の乱れが原因の一つでしょう。放置すると概日リズム睡眠障害を引き起こしますから、早めの対処が必要です。

痛みやかゆみ、睡眠時無呼吸症候群など、何らかの病気のせいでよく眠れないという方も多くいます。この場合、まずは病気の改善が先決です。

寝つきを悪くしたり、夜中に目覚めたりする原因として一番多いのがストレスかもしれません。
人間はストレス状態や緊張状態にある時、交感神経が活発になります。一方リラックスしたり休息している時には、副交感神経が活発になります。この2つは相反する働きをしていて、強いストレス状態にさらされていると、いくら布団に入っていても十分な休息を得ることができません。

また、強い不安感に襲われて眠れなくなるということもあります。強い不安が自分自身をストレス状態に追い込んでいるのです。不安感の中には、昨日も眠れなかったからまた眠れないのではないかと思い余計に眠れなくなる精神生理性不眠症というものもあります。

さらにストレスや不安が強くなり過ぎると、うつ病につながる可能性もあります。うつ病の症状の一つとして不眠が見られることもあり、その場合はうつ病の治療が優先されます。

まとめると、

夜眠れない主な原因

  1. 睡眠時間が確保できない
  2. 体内時計の乱れ
  3. 何らかの疾患による
  4. 強いストレス
  5. 不眠を引き起こす病気

原因に合った対処法を

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眠れない原因には、様々あることが分かりました。では、それぞれに対して、どのように対処すれば良いのでしょうか?

1.睡眠時間が確保できない

仕事や育児、家事が睡眠時間の妨げになっている場合は、それぞれの方の状況に合わせた対応が必要になります。しかし単に、携帯電話やメール、ゲームなどに熱中してしまって夜更かしをしているのなら、生活習慣を正すことで改善するでしょう。

携帯電話やスマホ、ゲーム機器などの強い光は脳を覚醒させてしまいます。これらはなるべく時間を決めて使うようにし、寝る1~2時間前には使用を控えるようにしましょう。

また、この他にも知らず知らずのうちに、眠れなくなる行動をとってしまっていることがあります。
以下の記事では、眠るために大切なことを4つのカテゴリに分けて説明しています。参考にしてみて下さい。

2.体内時計の乱れ

体内時計の乱れに対しては、前述のとおり、トリプトファンの摂取で体内でのメラトニン合成を増やすのが良いでしょう。

またメラトニンを減らしてしまう原因を自分で作り出していることもありますから、これには注意が必要です。メラトニンを減少させる原因には以下のようなものがあります。

メラトニンを減少させる主な原因

  • 日光浴不足
  • 運動不足
  • 食生活の乱れ
  • 不規則な生活
  • ストレスなど

トリプトファンを摂取してメラトニンを増やすとともに、メラトニンを減らさない努力も必要なのです。

3.何らかの疾患による

痛みで寝返りを打つたびに目が覚める、布団に入って体が温まるとかゆみが増して余計に眠れないなどの場合は、眠れない原因になっている疾患を治療することが大切です。

睡眠時無呼吸症候群は自分では気づきにくいですが、起きた時にスッキリ感がなく、頭痛がしたりのどが渇く、日中は強い眠気があり体がだるいというような症状がある方は要注意です。
家族の方に睡眠中の呼吸やいびきについて観察してもらいましょう。呼吸が10秒以上止まることが何回もあったり、呼吸停止の後また呼吸を始める時に大きないびきをかくようなら、病院で診てもらい適切な治療が必要です。

4.強いストレス

ストレスが原因なら、ストレスの元を取り除くのが一番です。と言っても簡単なことではありませんから、自分に合ったストレス発散法を見つけるのが良いでしょう。

お笑い番組を観て笑う、感動的な映画を見て泣く、体を動かして汗をかく、ジグソーパズルに集中する、お気に入りのカフェでお茶を飲む、、、何でも良いので、とにかくストレスの元になっていることから一旦離れて、自分自身をとり戻す時間を作るようにしましょう。

もしストレスの元と毎日のように向き合わなければならないのなら、ストレスにうまく対処していく方法を見つけると良いでしょう。ストレスへの対処法については以下の記事で詳しく説明しています。

5.不眠を引き起こす病気

ここまででご紹介した様々な睡眠障害やうつ病など、症状の一つとして不眠症状が現れる病気はたくさんあります。

眠るために大切なことを実践しても改善が見られない場合は、病院で専門の医師の診断を受けましょう。また、眠れない症状がひどく、不眠以外にも別の症状が現れているようなら、すぐに病院に行くことをおすすめします。

大切なのは原因に合った対処法

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「とにかく眠い」「常に眠い」原因には色々あります。そしてその対処法もそれぞれ異なります。また眠気の程度によっては、病院での治療を必要とする場合があります。

「とにかく眠い」「常に眠い」とお困りなら、まずは自分の状態をよく把握することから始めましょう。

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