不眠の種類と原因
不眠症という症状は、睡眠障害の中のひとつの症状です。少しややこしく感じるかもしれません。
例えば、以下のような症状について考えてみましょう。
- 眠り過ぎて生活に支障が出る(過眠症)。
- 夜間に無意識のうちに歩き回ってしまう(覚醒障害)。
- 眠ろうとすると脚がムズムズして眠れない(ムズムズ脚症候群)。
私の症状は「不眠症」なの?
この睡眠障害の中に、不眠症という症状があります。
以下の3つの状態が全て、あなたの睡眠に当てはまるのなら、これは不眠症であると考えるのが自然です。
- 睡眠不足の状態、あるいは睡眠の質が低いと感じることが続いている。
- 本来は眠れるはずの時間、環境があるにも関わらず、満足に眠ることができない。
- 睡眠不足、睡眠の質が低いせいで、以下のいずれかの障害が引き起こされている。
- 疲れやすい、倦怠感を感じる。
- 意欲の低下や気力の低下。
- 家事や仕事・勉強などの集中力、効率が低下する。
- 日中や、眠ってはいけない時間帯に眠気を感じる。
- 頭痛や吐き気、何かしらの痛みがする。
- イライラしたり、気分が憂うつになる(気分障害)。
また、不眠症には一時的な症状と、長期間続く症状に分けられます。
- 2〜3日の不眠:一過性不眠症
- 2〜3週間続く不眠:短期不眠症
- 3週間以上続く不眠:慢性不眠症
ほとんどの場合、一過性の不眠症は一時的なストレスなど、何かしらの原因が存在します。
例えば、大切な試験を控えている。会社で重要なプレゼンが近づいている。家族や同僚と関係が上手くいっていない、などです。
このような場合、悩みの種となる原因がなくなれば、それに伴い不眠も解消されるのが普通です。
しかし、この時に不眠を過度に心配し過ぎるあまりに、眠ること自体に不安を抱くようになる場合があります。不眠を過度に心配すると、それ自体が不眠の原因となります(精神性理生不眠症)。
こうなると、本来は一過性不眠だった症状が、慢性不眠へと発展してしまうのです。
長期間に渡って続く不眠症の方が、習慣的に不眠を作り出している可能性が高いと考えるのが普通です。そのため、長く続く不眠の方が、治療もより困難になると予想しておいた方が良いでしょう。
一般的な不眠症の種類
不眠症は、大きく分けると2つの種類に分けられます。分かりやすく言えば、他に明らかな原因がある場合と、そうでない場合です。
具体的に言えば、喘息や関節痛などの、他の病気(痛み)が原因となって眠れない場合を考えてみます。これは、明らかに他の原因(喘息や関節の痛み)があなたの睡眠を邪魔しているということが分かります。
2つの違いについて、もう少し分かりやすく説明していきましょう。
明らかな原因が認められない不眠症
原発性不眠症(一次性不眠症)と言われるこのタイプの不眠症は、眠れない原因が明らかではない場合を指します。
とは言っても、特別な場合を除いて、これは後天的に起こります。つまり、生まれつき何かしらの異常があって不眠症が起こっているわけではないのです。何かのきっかけがあり、これによって不眠が始まるのです。
こうした不眠症の場合、患者さん本人には思い当たる理由がないということも多いようです。
多くの場合、ちょっとした不眠がきっかけで、眠れないこと自体が強いストレスとなる。このストレスで、さらに睡眠が妨げられるということです。
眠れないこと自体がストレスとなり、不眠をさらに悪化させてしまう症状のことを、精神性理生不眠症と呼びます。
他に明らかな原因がある不眠症
続発性不眠症(二次性不眠症)と呼ばれるこの不眠症は、不眠症を引き起こす原因として、明らかな他の理由が存在している場合を意味します。例えば、以下のような原因です。
- ナルコレプシー
- 睡眠時無呼吸症候群
【病気の二次的作用】
- うつ病
- 狭心症
- 胸やけ
- 痛みを伴う病気
- 花粉症やアレルギー
- 喘息
【薬や薬物の副作用】
- 処方薬(ステロイド、抗がん剤、抗うつ剤など)
- 飲酒や喫煙
- コーヒーなどのカフェインが含まれるもの
しかし、この場合、原因を取り除けば不眠の症状が治まる可能性が高く、治療を成功させやすいとも考えられます。
具体的には、何らかの痛みや喘息が原因となっているのなら、これらの病気を先に治療します。その結果、不眠は自然と改善されるということです。
あなたの不眠の症状はどれ?
このブログでは、不眠症の原因とその改善方法について、分かりやすいコラムで解説しています。
以下の記事の中に、あなたの不眠の症状と似た症状はありませんか?不眠の改善の第一歩は、自身の不眠の原因を知ることです。
不眠の種類と原因(コラム)の一覧
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